脳血管疾患

脳卒中片麻痺(上肢)の自宅でできるリハビリ

オガワ
オガワ
今回は麻痺がある肩や肘の運動がなるべく効率よくできるように病態を踏まえてアドバイスできたらと思います。

片麻痺(上肢)について

片麻痺の回復は表面のアウターマッスルからはじまり、回復するにつれて中にあるインナーマッスルが働くようになります。

はじめに動かしやすくなるアウターマッスルとは反射が起こりやすい筋肉(神経伝達が速い筋肉)です。

反射が起こりやすい筋肉は意図的に力を入れやすい反面、力の加減が難しいという特性もあります。

そのためアウターマッスルを使った運動ばかりをしていると手足の震え、突っ張り、痛みの原因になります。

インナーマッスルが働くことで力の加減ができるようになりますが、そのためには関節が動く感覚をしっかり脳に伝えることが重要とされています。

図のように片麻痺の回復は通常の筋力UPとは異なりますので、状態に応じた運動が必要です。

状態の把握(ブルンストロームステージ)

片麻痺の評価として日本で最も使われているブルンストロームステージについてご紹介します。

この評価は麻痺の状態を6段階で判定します。

評価に使われている運動は回復段階になるので自主トレーニングとしても有効です。

ステージⅠ:弛緩麻痺

開始肢位:背臥位で麻痺側の肩関節外転・外旋位で指先を同側の耳に近づけた位置。

テスト:麻痺側の肩関節外転・外旋位で健側の肘関節伸展に抵抗を加え、麻痺側の大胸筋の収縮を確認する。

判定:収縮なし→ステージⅠ、収縮あり→ステージⅡ-1

ステージⅡ:痙性発現期

開始肢位:ステージⅠと同じ

テスト:麻痺側の手を対側の腰へ伸ばすように指示して大胸筋の収縮を確認する。

判定:収縮あり→ステージⅡ-2

ステージⅢ:痙性期

①伸展共同運動

テスト:ステージⅡと同じように指示して運動を確認する。

判定:臍の下へ手が伸ばせる

②屈曲共同運動

開始肢位:座位で麻痺側の上肢を健側の腰へ伸ばした状態。

テスト:麻痺側上肢を対側の腰から同側の耳まで持っていくように指示して屈曲共同運動を確認する。

判定:乳頭の上まで上肢を挙上

ステージⅣ:痙性減弱期

3つのテストがいくつできたかでⅣ-1、Ⅳ-2かを評価する。

①肩関節内旋

テスト:座位、麻痺側上肢を背中へ回す。

判定:脊柱より5㎝以内のところへ手が届く。

②肩関節屈曲

テスト:座位、肘関節屈曲20°以内で麻痺側の肩関節を屈曲する。

判定:肩関節屈曲60°以上

③前腕回内

テスト:座位、肘関節90°屈曲位、肘を身体に付けた状態で前腕を回内する。

判定:前腕回内50°以上

ステージⅤ:痙性減弱期

3つのテストがいくつできたかでⅤ-1、Ⅴ-2、Ⅴ-3かを評価する。

①肩関節外転

テスト:座位、肘関節伸展位で肩関節を外転する。

判定:肩関節外転60°以上

②肩関節屈曲

テスト:座位、肘関節伸展位で肩関節屈曲。

判定:肩関節屈曲130°以上

③前腕回外

テスト:座位、肘関節伸展、肩関節90°屈曲位で前腕回外。

判定:前腕回外50°以上

ステージⅥ:痙性最小期

2つのスピードテストで評価し、どちらか1つでもできればステージⅥになる。
所要時間は健側の1.5倍以内。

①肩関節挙上テスト:指先を同側の肩につけて真上に挙げる運動を10回繰り返す。

肩関節外転テスト:肩関節を外転90°まで挙げる運動を10回繰り返す。



自宅でできるリハビリ

日常生活動作

①食事

食事の際は手のひらをテーブルの上に置くか、食器を持って食べるようにします。

②立ち上がり

立ち上がりの際、テーブルに麻痺側の手を置く、両手を組むなどすることで麻痺した方の手を使用します。

自主トレーニング

①肘の曲げ伸ばし

両手を組んで脇を閉じて、肘をゆっくり曲げ伸ばしします。

肘を伸ばしたときは膝曲げたときは胸や鼻に当たるように行って下さい。

②腕を挙げる

両手を組んで肘を曲げた状態から、真上に向かって腕を挙げます。

脇が開かないようにして、力まず挙げれるところまでとして下さい。

③テーブルを拭く

タオルの上に両手を重ね、できるだけ麻痺側の力を使って前後、左右、円を描くようにゆっくりテーブルを拭きます。

④四つ這い

四つ這いになり麻痺のある手に体重をかけます。
麻痺側の肩甲骨が後ろに引けないように注意して下さい。